年配者の自分語りはすべて「自慢話」

自慢話も年配者の得意領域だ。はっきり言ってしまえば、年配者の「自分語り」は基本的にすべて自慢話といえる。

失敗談や何気ない思い出話もしている? いや、それが「人に聞かせたい話」であれば、「自分が失敗から何を学んだか」「自分がどれほど活動してきたか」が含まれているので、やはり自慢話の一種なのだ。

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したがって、私は自慢話のすべてが悪いとは思わない。自慢話は総じて仲間同士で盛り上がれるし、何より楽しい話が多い。子どもや孫に自分の若いころの成功談を聞かせて、「家族の伝説」をつくるのもいいことだと思う。子どもや孫だって、「父(祖父)は凄い人だった」という話は知っておきたいはずだ。

年配になると、同世代の人と顔を合わせる機会は減っていく。もっと高齢になれば、若いころを知っていた人がだんだんと欠けていく。そうなると誰も自分のことを褒めてくれない。誰も自分の人生の価値を認めてくれない。だから自慢して、自分の生きてきた道を確認するのは、人間として至極当たり前の行為でもある。