(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
総務省が2024年9月に発表した「統計からみた我が国の高齢者」によると、日本人のおよそ10人に1人が80歳以上と推計されるそうです。高齢者の介護をする人も増えるなか、自分の両親と子どものいない叔母夫婦4人の介護を経験したフリーライター・こかじさらさんは、「高齢者介護にきれいごとは通用しない」と語ります。今回は、こかじさんの著書『実際に介護した人は葬式では泣かない』から一部を抜粋し、再編集してお届けします。

父が白内障の手術で入院!

父が白内障の手術をすることになったのだが、90過ぎの高齢ということもあり、大事を取って手術前日から3泊4日の入院をすることに。

普段は威張りくさっているのだが、実は神経質で臆病だ。

「大丈夫かなあ」

しばしば不安を口にする。

一方で、母と来たら旅行にでも行くかの勢いで、なぜだか一人張り切っている。

90過ぎの入院患者の付き添いに、足下がおぼつかないこれまた90を過ぎたおばあさんに来られても、困るのは病院だ。老人用カートを押してもヒョコヒョコとしか歩けない人が、術後、眼帯で目が見えない父をトイレまで連れていくなど、どう考えても無理であり、付き添いの役割を果たせるとは思えない。