一人で病室にいることが不安なだけ
「何かあったの?」
「何もねーよ」
要は、気が小さいが故に一人で病室にいることが不安なだけ。
「だったら、呼び戻さないでよ。私だって、シャワー浴びたり、ご飯食べたり、メールをチェックしたり、やることはいくらでもあるんだから」
「何だ、おめーはまだ朝飯食ってなかったんか」
「病院は、入院患者の食事しか用意してくれないの!」
「そうなのか」
そうなのか、じゃないよ。まったく!
白内障の手術は成功し、無事退院はしたものの、まともな食事を取れなかったこの3日間で、45キロだった私の体重は43キロに減ってしまっていた。
※本稿は、『実際に介護した人は葬式では泣かない』(双葉社)の一部を再編集したものです。
『実際に介護した人は葬式では泣かない』(著:こかじさら/双葉社)
自分の両親と子どものいない叔母夫婦4人の介護を経験した著者が、その実態を赤裸々に綴る。
「早くお迎えが来て下さい」と祈ってしまうのはあなただけじゃない、あなたは悪くない、と介護者の気持ちを軽くしてくれる、「大介護時代」必読のエッセイ。