「猫絵の殿様」

守純の孫の秀純の代に、江戸幕府は岩松家を新田宗家に立て、前々回に紹介した交代寄合の格式を与えました。

といっても、新田姓を名乗ることは許されませんでした。また、禄高は加増を受けましたが、寛文三年(1663年)に新田郡下田嶋村にわずか100石だけでした。

つまり、岩松氏は120石ながらも下田嶋と江戸との二重生活を送り、参勤交代をしなければならなかったのです。どんな罰ゲームだよ、という話ですね。

120石取りの旗本にとって、高い格式や参勤交代に伴う出費はまことに痛い出費でした。そこで、岩松の殿さまは何をしたか。義寄・徳純・道純・俊純の4代は、猫の絵を描いて売ったのです。

(写真:stock.adobe.com)

それで岩松氏というと「猫絵の殿様」として知られているのですが、この絵が何とも味がある。上野、下野、信濃の養蚕農家ではネズミ除けに効果があると信じられ、多くの家に購入されたようです。

すぐに出てきますので、興味のある方はPCやスマホで画像検索してみて下さい。

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