その日は、かなり風が吹いていた…
運動会や家事の最中、朝の散歩で――その激痛は、思わぬ時に襲ってきた。『婦人公論』で人気の読者手記を、さえじまゆうさんが漫画化!海野清美さん(仮名・愛媛県・年金生活者・85歳)は、思わぬ時に激痛に襲われました。

最愛の夫を見送って

親の介護に夫の介護とずっと気の張る日々を過ごし、3年前に夫を見送った。

泣いても地団駄踏んでも、死んだ人は連れ戻せない。でもこの世からあの世へ行くことは可能。ならばこの世で楽しく明るく生きて、あの世で夫にしゃべりまくろう。「もう、お母さん一人で大丈夫だから」と、子どもらには感謝して帰ってもらった。その頃に始めたのが、朝の散歩だった。

 

忘れもしない2023年12月14日の早朝。その日は、かなり風が吹いていた。

ベッドの枕元にある夫の写真に、「風が強いしどうしよう」と話しかける。内心ひるんだが、風に負けてたまるかと外に出た。