年齢を重ねるにつれて、心身の変化を実感している人は多いのではないでしょうか。インテリアアーキテクトの加藤ゑみ子さんは、「変化した肉体とその内面に、今までにはない成熟した美しさが宿っています」と語ります。今回は、加藤さんの著書『変化を愉しむ 60歳からの気品のルール』から一部を抜粋し、心身の変化をゆっくり愉しみながら、自分を美しく表現するヒントをご紹介します。
「世の中は公平ではない」と悟る
人生の後半に差し掛かると、誰もが「世の中は公平ではない」と感じるものです。
そう気づいた時こそ、長年抱えてきたコンプレックスを手放し、不満を静めるチャンスです。
自分に与えられた才能の大きさに対して、過不足なく努力をしてきたことを振り返ってみましょう。
そうすれば自然と満足感が得られ、心がスッキリします。
これはまさに「知足安分」――自分の分を知り、そこに安らぐという境地です。
人生の不公平さを嘆くのではなく、自分の役割を全うしたことに静かな誇りを持つことで、心の平安が訪れるのです。