「今年52歳になりましたが、若い頃と比べて、いろいろな意味で今のほうがいいと感じています」

家族を演じるときに思い浮かべるのは

8月から、舞台『WAR BRIDE―アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン―』に出演します。第二次世界大戦後、米兵と恋に落ちて結婚し、渡米した日本人女性の物語です。現地での人種差別を乗り越えるなかで育まれた愛を描きます。実話をもとにした本作でこの夫婦を演じるのは、奈緒さんとウエンツ瑛士さん。僕は奈緒さんの父親役です。

この時代に敵国だった兵士と結婚するのは、かなりの勇気が必要だったはず。戦後80年を迎える今、こういうことが実際にあったと多くの人に知ってほしいですし、ぜひ若い人にも観ていただきたいと思っています。

僕にも娘がいるので自分が同じ立場だったらと考えてみたのですが、娘が異国の人と結婚することより、遠くに行ってしまうことをつらく感じました。距離が離れちゃったら、会いたいときに会えないじゃないですか。自分だったらと考えると、首を縦に振るのは難しいです。

今回のような家族ものをやるときには、僕が日ごろ子どもたちに向けている目線を思い出しながら演じています。これから稽古が始まるので、実際に奈緒さんとお芝居しながら、娘を思う父親の姿を見つけていきたいですね。