趣味の料理がいいリフレッシュに

子どもは小学生が2人います。学校の保護者にも『侍タイムスリッパー』を観た方がいらっしゃって、よく同級生から「観たよ!」と話しかけられるそうです。本人たちは、「本当は自慢したくて仕方ないんだけど、言ったらダメって言われてるから我慢してる」なんて嬉しいことを言ってくれます。(笑)

家にいるときは僕が料理担当。今日も出がけに「俺がつくるから夕食の支度はしなくていいよ」と妻に言って出てきました。僕としては妻を手伝っているわけじゃなく、単に好きでやっているだけ。ちょうどいいリフレッシュになるんですよ。

パンも焼きます。最近よくつくるのは、子どもたちが好きな塩パン。クロワッサンのように生地を巻いて、上に塩をまぶして焼くんです。パン生地をこねるのも楽しい。僕は陶芸も好きなんですが、手から伝わる感触がいいんですよ。結局は、ものづくりが好きなんでしょうね。

今年52歳になりましたが、若い頃と比べて、いろいろな意味で今のほうがいいと感じています。肉体は年相応に衰えていくものの、抗わなければなんとかつき合っていける健康な体がありますから。魂は時間の経過とともに成長していくものなので、俳優としても人としても年齢を重ねたほうがいい。これからの自分に期待しています。

今、久しぶりに絵を一枚描きたいと思っているんです。人生で大きなことが起き、果たして自分がどう変わったのか、じっくり内面と向き合ってみようと。これまで賞が欲しくて芝居をしてきたわけではないですが、実際にいただいたら嬉しかったんですよね。そして「またここに戻ってきたい」と思ったんです。

その欲はもともと自分の中にあって叶わないから消していただけなのか、それとも今回初めて生まれたものなのか。絵を通して自分の本音を発見する作業は面白いんじゃないかな、なんて思っています。

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