年齢を重ねてからの骨折は、寝たきりになるリスクを高めるだけでなく認知症に繋がるおそれも。そうならないためには、骨を丈夫に保つことが大切です。何歳からでも始められる強化法を伝授します(構成:内山靖子 イラスト:まえじまふみえ)
コラーゲンが質を左右する
これまで、骨を丈夫にするには「骨密度の低下を防ぐことが大切」と言われてきました。しかし、関節外科と骨粗しょう症を専門としてきた私の経験では、骨密度は低くないのに、手術中に骨に触れたとき、「これはもろい」と感じる人が少なからずいたのです。
実際、骨密度は正常なのに、簡単に骨が折れてしまったという外来患者さんが後を絶ちませんでした。
この疑問をもとに研究を進めたところ、骨の強度を左右しているのは骨密度だけでなく、「骨質」もかかわっていることがわかったのです。
骨の成分の半分はカルシウムですが、実は残りの半分を占めるのがタンパク質の一種であるコラーゲン。骨質は、このコラーゲンの質の良し悪しと、コラーゲン同士が正しく結びついているかで判断されます。