のど、舌が鍛えられ唾液量も増加
セルフチェックの結果はいかがでしたか? あまりよい結果ではなかったとしても、心配しすぎる必要はありません。
そもそも口の開閉、歯を上下に動かす、舌で食べ物をのどに運ぶ、気道と食道の蓋を開閉するという動作は、すべて口とのどの筋肉が行っています。そして、筋肉は何歳からでも鍛えられるのです。大事なことは、「口腔機能低下症」や誤嚥などを引き起こす前に始めること。できるだけ症状が軽いほうが健康な状態に戻りやすいからです。
そこで、私は日々の口腔ストレッチとして「長生きうがい」を提唱しています。「うがいなら歯みがきの際にしているわ」という人も多いでしょう。けれど、歯みがき後の口をすすぐだけのうがいでは筋肉は鍛えられません。唇をしっかり閉じて、水をこぼさないよう頬を膨らませたりすぼめたりを意識して行うこと、ガラガラと音を立ててうがいをすることが重要です。
このストレッチのメリットは、口やのどの筋肉を一気に鍛えられるところ。咀嚼・嚥下機能が高まるのはもちろん、舌が鍛えられ滑舌がよくなるだけでなく、唾液腺が刺激されて唾液の分泌量が増加し、オーラルフレイルが抱える問題を解決できるというわけです。
私が診察する患者さんで必要な方にはストレッチを続けてもらっていますが、「誤嚥しにくく食事が楽しくなった」「口内の乾燥が軽減された」「口臭が気にならなくなった」「食事のバリエーションが増え、元気になったように思う」などと嬉しいコメントをいただいています。
20秒ほどの簡単なストレッチですので、みなさんもオーラルフレイル予防に、ぜひ習慣にしてみてください。