子ども世代のITリテラシーを活かせる

しかし、親子終活なら、子ども世代の*ITリテラシーを活かして、これらのデジタル資産を適切に管理できます

例えば、重要なパスワード情報の安全な引き継ぎ方法を検討したり、不要なサービスを解約したりできるほか、スマートフォンの顔認証でログインするサービスについても、代替となる認証方法を確認することで対応できます。

一方、負債面では、借入金の有無はもちろん、誰かの保証人になっているといったケースがあります。保証契約をしたことは意外に忘れられがちですが、主債務者が返済不能になった場合、保証人に請求がきて思い出すということが稀にあります。

こうした点も親だけではなく子どもが一緒になって調べることで「漏れ」を防止できるでしょう。

資産と負債の全体像把握は終活には欠かせないステップです。そうした情報をもとに、実態に合った相続税の試算ができることも大きな利点です

*情報技術(IT)に関する知識や理解、そしてそれを適切に活用する能力のことを指します。

 

※本稿は、『モメない相続でお金も心もすっきり!親子終活』(あさ出版)の一部を再編集したものです。

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