ときには深刻な機能低下も
脳が役割を失うことで引き起こされるのは、単なる意欲の低下だけではありません。ときには深刻な機能低下を引き起こすこともあります。
会社を辞めると、人との交流が必然的に減り、孤立する方が増えます。当然外部からの刺激が減るので、脳の神経回路の活動が低下します。
さらに、定年後は収入が減り、「生活費を節約するために出かけるのを控えよう」と外出を控える傾向が見られます。しかし、脳の活性化に欠かせない運動量が減ればますます脳の働きも低下してしまうのです。
こうした要素が積み重なり、定年を通じて、脳の働きが弱まり、時にはうつ症状を引き起こすなどの事態に発展することもあります。
※本稿は、『60歳からの脳の使い方』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
『60歳からの脳の使い方』(著:茂木健一郎/扶桑社)
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