主婦のくびきが外れたら
敗戦後に旧制の高等女学校を卒業し、英語を学ぼうと東京女子大学に入学したものの、病気のために2年で退学。その後、22歳の時にお見合い結婚しましたのですが、好きで結ばれたわけではなかったので、結婚生活は特段楽しいものではありませんでした。
25歳で女の子を出産しましたが、今で言う《毒親》だったと思います。中高一貫校に入学させようと、小学校の頃から「勉強しなさい」とやかましく言い立ててしまったのです。
当時は、漫画家の萩尾望都さんや山岸凉子さんがデビューされた頃で、娘はすっかり夢中になっていました。買い集めた漫画をベッドにずらーっと並べ、私が部屋に入ろうとすると慌てて隠すのです。
思い返せば、私が子どもの頃にも同じことをしていました。親の目を盗んで部屋でこっそり本を広げ、母が階段を上がる足音が聞こえると、パッと隠して勉強しているふりをして。
自分が不自由な思いをして育ったのに、娘にも同じことをしてしまうなんて嫌になりますよね。しかも、娘に借りた漫画を読んだら、私のほうが夢中になってしまうのだから仕方のない親です(笑)。口うるさい教育ママだったことは、今でも後悔しています。
結婚後はしばらく忙しくしていましたが、読書欲がなくなったわけではありませんでした。20代の頃に、早川書房や東京創元社から翻訳ミステリーが刊行され、アガサ・クリスティをはじめとした本格ミステリーに、それはもう夢中に。