60歳仕様に「できるだけ動かない」で済む環境を整える

家事の手間を省くのに最も効果的なことは、動線を短くすることと、すぐ手が届くところにものを配置することです。

年を重ねると運動能力が落ち、動線が長いと疲労がたまりますし、手が届く範囲も狭くなっていきます。

元気にあちこち動き回っているほうがいいイメージがあるかもしれませんが、実は家事においてそれは効率が悪いといえます。

プロの料理人は熟練者ほど環境にこだわり、できるだけ立った場所から動かずに料理ができるようにしています。

寿司職人も、目の前にネタ、すぐ横に寿司桶を置きます。美容師は腰にハサミやクシ。清掃員は腰に掃除道具、大きく重い道具はワゴンに載せて効率よく労力を省いています。

環境を整えたほうがスピードが上がりますし、疲れずに作業を続けられます。

家事も60歳までこなしてくれば相当な熟練者です。せっかく長年の経験や知識、技術があるのに、体力が落ちてきたせいでそれを生かせないのはもったいない。

だからこそ環境整備をしておくことが大切なんです。

「やるぞ」と気合を入れてがんばってやる家事はつらいですよね。

あちこち移動せずにその場に立てば手を動かせる環境であれば、毎回、気合を入れなくたってやりやすくなるはずです。

 

出来るだけ動かない家事とは?(写真はイメージ/写真提供:Photo AC)