家事をリセットする(写真はイメージ/写真提供:Photo AC)

年齢を重ねるにつれて「体力的に家事をするのがつらい」「子どもたちが独立して夫婦2人、少し手を抜いてもいいのでは」と、家事への向き合い方を見直すシニアが増えています。《知的家事プロデューサー》として活躍する本間朝子さんによる、「疲れない」けれど「ちゃんと」暮らせる家事とは――。著書『イラストでよくわかる60歳からの疲れない片づけと家事』より一部を抜粋して紹介します。

60歳は「家事の棚卸し」の季節です

みなさんは「家事」と聞くと、どんな作業を思い浮かべますか。

料理、洗濯、掃除……大まかに分類するとそうですね。家事をもっと細かく分析してリスト化してみると、なんと180項目ほどになりました。

その中には毎日行うものもあれば、週1回、季節ごとに1回、年1回のものも。「家事」は実にさまざまです。

こうした家事を管理し、長年毎日続けることは、本当に大変なことだと思います。

主婦/主夫の方は、家事がたまってくると憂鬱な気持ちになり、疲れていても重い腰を上げてこなしていく。

若いうちは力技でこなせますが、年を重ねるとだんだんその重い腰が上げようにも上がらなくなっていく……。180項目もあれば、そうなるのも当然です。

ひとつの項目の家事をさらに詳しく見ると、やり方はひとつとは限りません。たとえば床の掃除。掃除機を使うのか、フロアワイパーなのか、雑巾か。

いくつもの方法が考えられます。多くの方は、自分が若いうちに覚えた方法を変えずに続けているようです。

果たしてそれでいいのでしょうか。

60歳は人生における季節変わり目。着るものだって重いコートをやめて、軽い素材のものに変える方が多いでしょう。

家事だって同じです。

家事の棚卸しをしてみて、重いコートを脱ぐように、家事も身軽な形に刷新してもいいのではないでしょうか。