時を戻す魔法のよう

「スカイ・ステージで、初舞台の口上観ましたよ!」
ある時、何人に言われたかわからないくらい言われた言葉です。

私の初舞台公演は著作権の関係で映像に残っていません。
一番恥ずかしい歴史は晒されない。
これはラッキーと思っていたら、なんと初舞台の口上だけが残っていました。
口上とは、初舞台生全員がタカラジェンヌの正装である黒紋付に緑の袴で一列に並び、開演に先立って3名~4名ずつ日替わりで挨拶と決意を述べるというものです。
運がいいのか悪いのか、映像に残っていたその日の口上の1人が私でした。

観なくてもわかります。
とんでもなくひどい自分の姿を。
初舞台から30年以上経って、まさかこんな辱めを受けるとは。
油断なりません。

とはいえ、自分が出ていなければおもしろい『タカラヅカ・スカイ・ステージ』。
えっ?この公演やってるの?
久しぶりに観た懐かしい宝塚の舞台は、時を戻す魔法のようでした。
仲間の背中や舞台袖の空気感、あの一体感までも手に取るように感じられます。
明日のためにもう寝ようと思っていたのに、気づけば深夜までお芝居もショーもフルに観てしまっていました。

スカイ・ステージに加入している宝塚ファンの方は、地上波と現実に戻れているのでしょうか?
今更ながら心配です。
毎日どっぷり宝塚にハマれるあのチャンネルには、夢や希望や「明日を頑張る理由」が詰まっています。

いつか、もっと私が歳を重ねたら、あの頃の虚栄を張っていた自分の映像を優しいまなざしで観れるのでしょうか。
そんな境地に達するには、まだあと20年はかかりそうです。

宝塚ホテルエントランス。私の第二の故郷に近々伺えそうです。
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