外での刺激を持ち帰って
そして第3の転機と言えば、ちょっと意外なことに、文学座以外の仕事で刺激をもらった人たちとの出会い、だとか。
――とにかく僕が早稲田に入った時に清水邦夫さんが卒業して、別役実さんや鈴木忠志さんが大隈講堂で盛んに活動してましたからね。そのころ戸山ヶ原で唐十郎が野外劇をやり出して派手に姿を現したんだけど、僕は怖くてそっちへは行けなかった。
でも文学座に入って何年か経ってからはずっと観てて、怖いけど憧れてましたね。で、かなり後になって僕は状況劇場時代の唐さんの芝居に出演したこともあるんです。
「アングラの帝王」だったすまけいさんの芝居もよく観てて。新宿の倉庫みたいなところでやるんだけど、今日は三人しか客いないからやめようかな、なんて言う。じゃあ明日、劇団の友だち連れて来ますから、ってみんなで行くと、やってくれる(笑)。
のちにすまさんとも鐘下辰男作・演出の『クラウディアからの手紙』っていう芝居をやりましたね。