野田秀樹さんには僕から会いに行って、『贋作 罪と罰』とか『キル』とかに出ています。

あの頃の野田さんの芝居の作り方って、一年前にプレ稽古みたいな。こんな芝居を作りたいんだけど、ってワークショップみたいなことをやる。僕はずいぶん参加してます。

外で受けた刺激を今、文学座の研究生の授業に活かしたりするわけだけど、若者たちには昔の言葉がどんどん通じなくなりますね。たとえば「暖簾に腕押し」って言ってもわからなかったり。

最近の文学座では、ベケットの『肝っ玉おっ母とその子供たち』の年輩の軍人役とか、まぁそういう役どころになってきましたね。でも研究生たちの芝居を好きに演出するのは楽しくて、これは天国ですよ。(笑)

どうぞいつまでも意欲旺盛な演劇青年でいらしてくださいませ。

 

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