果物の未来
実のところ、24年の秋以降、果物は軒並み値上げとなっていました。いまや、果物はかつてのように手軽に楽しめるものではなくなりつつあり、冬場にこたつでミカンを楽しむことも価格上昇のため難しくなりかねません。私たちが味わえる果物の未来はどうなってしまうのでしょうか。
果物は、収穫の秋に流通量が減って、価格が上がる――。23年からすでにあったこの流れが24年、輪をかけて進みました。少なくないスーパーで、同年の秋以降、果物売り場が歯の抜けたような、スカスカした状態になってしまったのです。
スーパーの売り場で「訳あり」と書かれた果物が多かったのも、24年の特徴でした。柿の実の日焼けや、猛暑によるリンゴの着色不良などを知らせるポップが目につきました。今はまだ珍しく感じるこうした対応も、温暖化が進むにつれてありふれた光景になるかもしれません。
※本稿は、『農業ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
『農業ビジネス』(著:山口亮子/クロスメディア・パブリッシング)
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