吉永 ただ私は、「最期まで自宅で」というこだわりはないの。
太田 吉永さんより上の世代だと自宅にこだわる方は多くて、「親のひとり暮らしが心配」という子の声が聞こえてきます。現実的には、「ひとりでトイレに行けない」「火の始末ができない」という状況になった時が、今後の暮らし方を見直す目安。
在宅で生活を続けるならば、行政や民間の生活サポートを使う準備を進める、または高齢者施設など新たな住まいを考えることが必要だと思います。
吉永 うちのマンションはバリアフリーなので、車椅子生活になってもなんとかなりそう。でも、ゴミを捨てに行くのが面倒になったらひとり暮らしの限界、と目安を決めています。その時には、住まいを処分して老人施設に入るつもり。
太田 施設見学はしましたか?
吉永 実は60代から、シニア向け分譲マンションなどを見て回っていて。体験入居もし、《看取って、安置までしてくれるところ》が絶対条件だと、自分の求めるものがはっきりしてきました。
そもそも私は、「子どもには世話にならない」と決めての独居。ひとりで生きるということは、ひとりで死ぬこと。老後の生活から最期までを考えて準備するのは当然なんです。