ジャーナリストの太田差惠子さん(左)と作家の吉永みち子さん(右)(撮影:本社・武田裕介)
75歳の吉永みち子さんは、子どもと同居せず、長年ひとり暮らしを続けています。今の生活に至るまでの葛藤や、これから先の暮らしの準備、子どもとのかかわり方などについて、遠距離介護の取材を重ねてきた太田差惠子さんと語り合いました。(構成:村瀬素子 撮影:本社・武田裕介)

前編よりつづく

「世話にはならない」と突っぱねないほうがいい

太田 これから先、年を重ねていくことを想定して、ひとりで暮らし続けるために何か準備をしていらっしゃいますか?

吉永 まずは健康が第一なので、筋力アップに励んでいます(笑)。変形性膝関節症に悩まされて、このままでは外出もできなくなる、と一念発起。運動嫌いだったけれど、ラジオ体操と30分ウォーキングを日課にしたら、今は1万歩ぐらいすいすい歩けるようになりました。

太田 それはすごい! 筋力維持は、暮らしの質に大きくかかわってきますからね。65歳以上の高齢者を対象に、要介護にならないための体操教室や、認知機能を鍛える脳トレゲームなどの講座を用意している自治体は多くあるんですよ。

吉永 それと、住人と同じく家も老朽化したので数年前に思い切ってリフォームしました。絨毯をすべてフローリングにして、開かずの間をベッドルームに。ついでに断捨離もしたので、部屋が広々使えて快適です。

太田 要支援の認定を受けている方でしたら、手すりをつけたりする住宅改修に介護保険を利用できるので、安心な住まいづくりをしていただきたいですね。