親にかかる費用は親のお金で
太田 親に生活支援や介護が必要になった時に、子どもに金銭的な負担がかかってしまっているケースは意外とあるんです。私は、親にかかる費用は親のお金を使うことが基本だと考えています。100歳まで生きる可能性がある時代なので、子どもの老後破綻を招きかねませんから。
吉永 子どもには自分自身の生活を守ってもらわないとね。ちなみに私は、葬式代も子どもに渡してあるの。
太田 さすが(笑)!実は、親の財産について知らない人は多いのです。離れて暮らしていたら、なおさら。親が突然倒れたり、認知症になったりした時、どこにどれだけ預金しているのかなどがわからないと、子どもは非常に困りますよね。
吉永 うちの子どもたちも知らないだろうから、私は去年、公証役場に行って財産目録というものを作成してきました。
太田 親の懐事情について、子ども側からは聞きにくいもの。吉永さんのように、「これを見ればわかるよ」という状況にしておくなど、親のほうから財産を開示することが大切です。
吉永 財産目録は更新できますしね。子どもにも「私の介護はしなくていいよ。その代わり、自分のお金は私が全部使いますからね」とは伝えてあります。
太田 親にそう言われると、子は肩の荷がおりますね。