「最初の一口」で脳を休ませる技術

では、なぜ最初の一口だけでも実践することが大切なのでしょうか。

それは、脳を休ませることにつながるからです。

(写真提供:Photo AC)

例えば、午後の仕事などをあれこれ考えながら急いで食事を終わらせようとしているとき、あなたの頭は雑念でいっぱいになっています。これは、脳のデフォルトモードネットワーク(DMN)が働きすぎている状態です。

DMNとは、内側前頭前野、後帯状皮質、楔(せつ)前部、下頭頂小葉などで構成される神経回路のこと。よく車の「アイドリング」にたとえられますが、ぼんやりしているときでもDMNは活動しており、そのおかげで私たちは、突然の出来事にもすぐに対応することができています。

そんなDMNは、脳内の情報整理の役割も担っています。

散歩しているとき、お風呂に入っているとき、布団の中でぼんやりとしているときに、いいアイデアが浮かんできた経験はありませんか? それは、DMNが正常に働いている証拠です。

しかし、DMNは脳のエネルギーを非常に多く消費します。そのため、働きっぱなしにしていると、脳疲労を起こしてしまうのです。