加藤登紀子さん、Nozomi Lynさん
デビュー60周年を迎えたシンガーソングライターの加藤登紀子さん(左)と、24歳の若きシンガーソングライターNozomi Lyn(ノゾミ・リン)さん(撮影:米田育広)
今年、デビュー60周年を迎えたシンガーソングライターの加藤登紀子さん。80歳を超えてもなお、精力的に音楽活動を行っています。今回、自身作詞作曲の『渡り鳥の子守唄』を、24歳の若きシンガーソングライターNozomi Lyn(ノゾミ・リン)さんに提供・プロデュース。8月22日、全世界に配信リリースされます。その翌日、8月23日には加藤さんの出生地である中国・ハルビンでコンサートを開催。母親がハルビン近郊出身というNozomi Lynさんも出演します。共通点も多く、世代を超え意気投合する2人に、コンサートへの意気込みや楽曲についてインタビュー。この記事では、加藤さんとNozomi Lynさんとの対談をお届けします。(構成:宇都古舞 撮影:米田育広)

2人の出会いのきっかけ

――Nozomi Lynさんは英語・日本語・中国語の3カ国語が堪能だそうですね。若くして作曲家/シンガーソングライター/プロデューサーの顔もあります。Nozomi Lynさんの音楽のルーツはどこにあるのでしょうか。

Nozomi Lyn:私は日本人の父と中国人の母の間に生まれました。東京で生まれて、上海、バンクーバー、ニューヨークで暮らしました。今はロサンゼルス在住です。こういう環境が大きかったのかなと思います。元々音楽一家というわけではなかったんですが、両親が音楽好きで。父親がギターを持っていた影響で、小さい頃からさわったりはしていました。

加藤:音楽の勉強を相当してきたのよね。 

Nozomi Lyn:はい。ニューヨーク大学と大学院で6年間音楽を勉強しました。音楽家になることは小さい頃からの夢だったんです。 

加藤:今回のハルビンでのコンサートも、あなたのお母様が尽力してくださったのよね。お母様がハルビン交響楽団とのパイプを持っていて。それを作詞家のいではくさんに話したらつないでくださって、コンサートが実現したんだよね。 

Nozomi Lyn:私の母はハルビン近郊出身なんです。私は2016年、16歳になる少し前に、ハルビンで歌ったこともあって。

――出会うきっかけは何だったのでしょうか。 

加藤:ハルビンでのコンサートが実現したとき、お母様からNozomi Lynさんが音楽をやっているということを知って。コンサートでは、若いアーティストを紹介したいなと思っていた。それで「是非コンサートに出ませんか」とお声がけさせてもらったんです。 

Nozomi Lyn:私はそれまで登紀子さんのことを知らなくて。私のおばあちゃんは今87歳で、シャンソンが好きなんです。登紀子さんのことを言ったら、「え!ほんとに!」ってすごい喜んでくれました。

加藤:今回プロデュースした『渡り鳥の子守唄』は曲がすでにできていました。Nozomi Lynさんにデモテープを送ったら、ギターの弾き語りで歌って送ってきてくれた。それが素晴らしくて。是非コンサートでこの曲を歌って欲しいなと思ったの。それに合わせて配信リリースもしたいと考えて。 

加藤登紀子さん、Nozomi Lynさん
「渡り鳥の子守唄」のジャケット