担当編集者が送ってくれた写真資料から。ゴットランド島・サンタマリア大聖堂(写真提供:河出書房新社)

「知りたい」が原動力

それでもやっぱり、一番の楽しみは書くことです。資料を調べて小説を書くことが、唯一の楽しみ。ほかに趣味はありません。原動力は、知らないことを知りたいという好奇心かもしれませんね。

私たちの世代は、一番勉強をすべき年頃に学徒動員されました。私は高等女学校3年の2学期から工場で働かされたので、基礎知識を得る機会がなくて。

ことに西洋史には疎く、「この時代のこの国の出来事が面白い」と思っても、通史を知らないのでその前後のことがわからない。だからこそ、詳しく調べたくなるんです。気になったことから枝葉を広げ、関連書籍を探すのがもう楽しくて。

それに、書き手は編集者によって大きな影響を受けると思います。いい編集者がついてくださるとこちらも励まされ、アイデアが大きく広がります。

今、季刊文芸誌で連載している『ジンタルス RED AMBER 風配図II』は、まさにそう。私は足が悪くてもう外国へ取材には行けないけれど、担当編集者がたくさんの資料を揃えてくださるの。