嵩との関係性がうらやましい
<健太郎は常に嵩のよき理解者だった。のぶへの思いを打ち明けるように嵩を励まし、漫画家への道を応援してきた。健太郎がのぶの妹・メイコと結婚したことで、ついに嵩とは義兄弟になる>
性格が対照的な嵩と健太郎が支えあって、義理の兄弟になったのはすごくうれしいこと。その関係性はうらやましくもあります。
健太郎は、NHKのディレクターですが、今は、たくやと嵩と3人のシーンが多くて。たくやは嵩を尊敬していて才能を買っている。健太郎は、単純に嵩の描く絵や詩が好きなんだろうと思っています。なので、自分が番組を作るときに嵩を誘う。学生時代は「柳井君、助けな」という感じだったのが変わってきている。今は、素直に一緒にやりたいんだと思っています。
今でもよく思い出すのが、東京の芸術学校で嵩と健太郎が再会したシーンです。「柳井君?」と嵩に声をかけて、座間先生が教室に入ってくる。
嵩と健太郎が家で会話しているシーンやカフェで仕事をしているシーンの撮影中でも、ふっとあのシーンがよぎる瞬間があります。思い出しているというのではなくてフラッシュバックする。多分、健太郎も時折こうやって嵩のことを思い出して、「嵩の力になりたい」と思っているのだろうと感じています。