デジタルフリーが子どもの回復を早める
結論から言うと、子どもの回復には、デジタルフリー=ゲームを自由にさせることが、早道です。「好きなだけゲームをやったらいいよ」「時間を気にせずにやり込んだらいいよ」と言ってあげることで、結果的に回復がスムーズに進み、子ども自身が自分のペースで落ち着きを取り戻しやすくなります。
とはいえ、デジタルフリーに対して抵抗感を感じる親も少なくないと思います。そんな親におすすめなのが、児童精神科医が提案するルールです。そのルールは、「本人が決めたルールを尊重しましょう」というものです。
本人はどんなふうにゲームをしたいのか。たとえば、「1日2時間までにする」「夜10時までにする」など、ゲームのルールを自分で決めてもらい、親はそれを支援するという考え方です。
これについては、たくさんの親御さんから、「そんなことをさせてどうするんですか」という声をいただきました。確かに、そう思うかもしれません。
でも、親が決めたルールを守らせようとしても、うまくいくことはほとんどありません。なぜなら、子どもにはそのルールを守るための自主性や動機がないからです。結果として、子どもはそのルールを守ることよりも、どうやって破ろうかに集中してしまいます。
ですので、本人が決めたルールをどう守れるか。親はそれをサポートすることが大切です。たとえば、「気持ちよくゲームをやりたい」と考えている子であれば、ゲームに熱中しすぎて怒ったりして気分が悪くなりそうなとき、親のほうから「ちょっと休む?」と声をかけてみましょう。それによって、子どもが「休憩をとったほうが気分がよくなる」と感じるようになれば、ゲームに熱くなりすぎる前に自分から休むことを選べるようになります。