一般職から総合職転換で課長に
村木さんへの継続インタビューは2007年、商品企画部の課長ポストに就いて数か月が過ぎた頃からスタートした。当時44歳で、勤務する会社では、課長昇進年齢の平均からすると少し遅くはあったものの、一般職で入社して転換試験を受けて総合職になった女性の課長就任はまだ数少なかった。
多種多様な商品を取り扱い、各所に華やかなディスプレイが施された店内とは対照的に、部屋の壁面に沿って商品の入った段ボール箱が所狭しと積まれた会議室に入ると、村木さんが「雑然としていて、店との落差に驚かれたでしょう」と、弾けんばかりの笑顔で迎えてくれたのを鮮明に記憶している。
「男女雇用機会均等法が施行された年に入社しましたが、厳密に言うと私は、『均等法第一世代』とは違うんです。入社時は一般職だったものですから……」
そう言って、少しおどけた表情を見せた。