主治医から寛解を告げられた

軽症うつ病は、治療を続けて1年ほどで主治医から「寛解」(病気が完全に治った治癒ではないが、症状が消失している状態)を告げられた。ただ、その後も2、3か月から数か月おきに、軽い抑うつ症状が一定期間出ることがあり、症状のある時のみ通院して精神安定剤を処方される、という状態が5、6年続くことになる。

休職からの職場復帰後、総合職に転換してから最も長く在籍した商品企画部で1年働いた後、総務部に課長職のまま異動した。総務部所属となってから数か月過ぎた2014年のインタビューでは、こう苦しい心境を明かした。

(写真提供:Photo AC)

「無理をしているつもりはないんですが……仕事を頑張ろうとすると、集中できずに気分が沈んだり、体がだるく疲労感がひどくなったりということを繰り返してしまって……。結局、商品企画では以前のようなパフォーマンスを発揮できなくなったんです。会社員人生の終盤で何か、また新たな目標が見つけられればいいんですが……」

まだ笑顔が弾けていた頃の状態に戻ってはいないものの、少しずつながら確実に気持ちが上向いてきているようだった。