お客様の反応は?

――​​コンサートでは日本語と中国語で「渡り鳥の子守唄」をハルビン交響楽団の演奏で歌いましたが、お客様の反応はいかがでしたか?

「フルオーケストラの演奏と共に歌うライブは、言葉では表せないほどの幸福感に満ちた体験でした。何より心に残ったのは、温かさと感情がストレートに伝わってきたお客様の反応です。演奏後に『二つの言語が重なって聞こえるのがとても感動的だった』と話してくれた方もいて、とても胸が温かくなりました。この曲は、私のルーツの両側面を表しているので、皆さんが心を開いて受け入れてくれたことに心から感謝しています」

フルオーケストラの演奏と共に歌うNozomi Lynさん

――​​「渡り鳥の子守唄」は、ノゾミさん自身が日本語、中国語、英語の三か国語で歌われ全世界で配信されていますが、様々な国でこの曲に出会ったリスナーに伝えたい思いはありますか?

「音楽の魅力は、決して同じままではないところにあります。私たちと共に変化し、人生の状況や気持ちによって、同じ曲でも色や意味が変わることがあります。私の願いは、どの言語のバージョンを聴いても、聴く人に安心感や心の平穏を届けることです。孤独を感じる瞬間でも、人は決して一人ではないと感じてほしい。渡り鳥のように同じ広い空の下で、それぞれの希望や葛藤を抱えながら旅をしている人たちが無数にいることを思い出してほしいです。この曲が、少しでもその共通の空を思い出させ、つながりや希望を感じさせられたなら、この曲は私の手を離れ、さらに大きな力を持っていくと思います。この声で世界に届けることができるだけで私は十分に幸せです」

Nozomi Lyn
ギターの演奏も

――​​最後に、Nozomi Lynはどのようなアーティストになっていきたいですか?

「私は、音楽を通じて人々が『自分はここにいる』と感じ、自身の存在を認められていると感じられるようなアーティストでありたいです。音楽は目に見えない糸のように人と人を繋げるもので、私の夢は、人々がどんな状況でも一人じゃないと感じられるような曲を生み出すことです。異なる文化や言語の間で育った私は、しばしば異なる世界を行き来しているように感じましたが、音楽はすべてが一つに繋がる場所でした。完璧を追い求めることではなく、できる限り正直に物語を伝えること。それが、誰かの心を癒したり、励ましたり、静かな時間にそっと寄り添う力になると信じています。私の音楽が人々をつなぎ、希望の火を灯し、誰かが自分の旅を自身で受け入れる手助けになることを願っています」

シンガーソングライターNozomi Lyn(ノゾミ・リン)さん
私の音楽が人々をつなぎ、希望の火を灯し、誰かが自分の旅を自身で受け入れる手助けになることを願っています
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配信シングル「渡り鳥の子守唄」

2025年8月22日 各音楽配信サイトにて配信スタート
加藤登紀子が作詞作曲を手掛けた「渡り鳥の子守唄」を、日本に生まれ、中国、アメリカで育ったNozomi Lynが、同一曲を日本語、中国語、英語の3verで歌唱。

CD「渡り鳥の子守唄」2025年9月17日発売

Nozomi Lyn「渡り鳥の子守唄」

公式サイトはこちら→ https://www.teichiku.co.jp/catalog/teichiku/2025/TECD-13647.html