「めまい」という言葉の意味
めまいは、症状そのものがつらいだけでなく、「命に関わる病気では?」という強い不安を呼び起こします。診察では原因を探る検査・治療と同じくらい、患者さんの不安を和らげる対話が欠かせません。
まずは「どんな場面で、どんなふうにめまいを感じたのか」を丁寧にうかがい、必要な検査の目的や結果をわかりやすく共有する――そんなコミュニケーションが、過剰な心配や不要な検査を減らすカギになります。
「めまい」という言葉は、患者さんによってそれぞれ異なる意味を持ちます。診療のはじめに、患者さんの感じている「めまい」がどのような状態なのかを明らかにします。「視界がぐるぐる回る」「歩くときにふらふらしてまっすぐ歩けない」「意識が遠のく」「ふわふわとした感じ」などに分けられ、それぞれ「回転性めまい」「歩行失調」「前失神」「浮動性めまい」などの医学用語に対応します。
各状態で、考えられる疾患は大きく異なるので、初期段階で方向を誤らないように、患者さんの使う言葉に注意を払います。今回は「ぐるぐる」と視界が回るような状態でしたので、回転性めまいとなります。