“女性としての先輩”たちからのエール

初演である日本公演が始まる前は、ものすごく緊張しました。男役だった私がスカートをはいて女として舞台に立つわけですから、宝塚からのファンの皆様がどのように新しい私を受け入れてくださるのか、不安でした。でも初日から、お客様のあたたかさが伝わってきた。観客席から「大丈夫、大丈夫」と励まされている気がして、おかげで一歩ずつ進んでいけました。

ファンの方たちは私にとって“女性としての先輩”でもあるわけです(笑)。「もうちょっとこうしたら?」「想像していたよりちゃんと女性だった」など、いろいろ言葉をかけてくださったことも大きな励みになりました。

宝塚で男役になった当初は、男役を「演じて」いたのですが、徐々に本来の私と男役が混ざりあって、ひとつの私になった感じがあります。ですから女として舞台に立つには、今はまだ、改めて女を演じなければならない(笑)。でもこれから先、お芝居の中でもっとたくさんの女性の人生を演じてみたいと思っています。

ソロコンサート『REONJACK』では、素の私をお見せするつもりです。退団後立ち止まり、そこから再び歩き出した心情を表すダンスもありますし、作詞を手がけた歌にはニューヨークでの思いも込めました。自分の弱さをさらけ出すことに抵抗がないわけではありません。でもカッコいい言葉を並べるのは、私には向いていない。心の中からあふれてしまう本当の気持ちを歌い、伝えていきたいのです。

今、稽古中ですが、稽古場で日本語を話せるというだけで、心が安らいでいるのがわかります。大きなチャレンジだったブロードウェイミュージカルの経験を糧に、さらに前に進んでいきたい。そう思っています。


柚希礼音さんが表紙の『婦人公論』好評発売中!

 

 

中面のインタビューより

「『婦人公論』の表紙で篠山紀信さんに撮影していただくのは2回目。前回は、退団してからそれほど時間がたっていなかったので、今改めて見ると、ほぼ「男役」のままでしたね(笑)」(表紙の私)

今年、芸歴20周年を迎える柚希さんが、来し方を振り返り、感じることはーー

 

購入はこちら