健康の基本は
孤食をしている人は、孤食をしていない人とくらべて「うつ」になる可能性が3倍近く(男性の場合。女性はおよそ1.5倍)も高くなるという調査があります。
また、別の調査では、孤食をしている男性シニアは食事に無頓着で、誰かと一緒に食事をしている人にくらべて、食事を抜いてしまう割合が4倍近くにもなるとされています。
ところが、食事を抜く人がやせているかといえばそうでもなく、それどころか、肥満の割合は1.3倍にもなっています。
つまり、1日2回、ひどいときには一度の食事でドカ食いしているか、そうでなければ、間食をしているに違いありません。
1日3回、規則正しい食事をするのが健康の基本であることは言うまでもありません。ただ、「わかっているけれど、できない」という人も少なくないでしょう。
そうした人は、ご近所の知り合いを誘ったり、昔の懐かしい仲間との食事会を計画してみてはいかがでしょう。
保坂隆さんの連載「人生を楽しむ ほどほど老後術」一覧
出典=『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』(著:保坂隆/中央公論新社)
保坂隆
保坂サイコオンコロジー・クリニック院長
1952年山梨県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神神経科入局。1990年より2年間、米国カリフォルニア大学へ留学。東海大学医学部教授(精神医学)、聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長、聖路加国際大学臨床教授を経て、現職。また実際に仏門に入るなど仏教に造詣が深い。
著書に『精神科医が教える お金をかけない「老後の楽しみ方」』(PHP研究所)、『精神科医が教える 繊細な人の仕事・人間関係がうまくいく方法』(三笠書房)、『精神科医が教える すりへらない心のつくり方』(以上、大和書房)、『頭がいい人、悪い人の老後習慣』(朝日新聞出版)、『精神科医がたどりついた「孤独力」からのすすめ』(さくら舎)などがある。