対抗する「返し」を手に入れるレッスン

俯瞰して状況を把握できたら、次は、相手に対して言い返す言葉を手に入れましょう。とはいえ、「とっさに切り返す言葉が浮かばない……」という人も多いと思います。

そこでぜひ試していただきたいのが、「返しの言葉のレッスン」。1人でもできますが、友人や知人と4~5人で行うほうが、変わった視点からの意見が出やすくなるのでおすすめです。

最初に、A4サイズくらいの紙を数枚と大きめの付箋、人数分のペンを用意してください。紙の上部に、自分が言われたときにモヤモヤしたお題(呪いの言葉)を書きましょう。

たとえば、きょうだいから「お前は黙ってろ」と言われたとします。それに対する「返しの言葉」を、付箋に1つずつ書いて紙に貼っていく。お題に対して返しを考える時間は、4~5分くらい。とにかく思いついたことをパッパッと書き出してください。

返しの言葉を考えるときは、自分ではなく「相手の問題」にすること。先ほどのお題なら、「あなたには、私の発言を止める権利はありますか?」「黙っていさえすれば、私にとって良い結果になるのですか?」「私に黙れということは、すべてあなたの思い通りになるということですよね?」のように、相手が何か答えざるをえないような返しにしましょう。「これは私の問題ではなく、黙らせようとしているあなたの問題です」と相手にわからせるためです。

試してみると、返しの言葉がすぐに浮かぶお題と、いくら考えても思いつかないお題があると気づくと思います。前者は、あなたがすでに向き合った経験があるもの。後者は、これまで意識していなかったものです。そのような新しい問題でも、レッスンで一度検討しておけば、次の機会にはスムーズに返しの言葉が浮かんでくるでしょう。

「返しの言葉」を考えるレッスン。4〜5人で集まって、とにかくたくさん案を出していくこと