投げかけられたとき身を守る方法は

対策として有効なのは、「自分が置かれた状況を俯瞰して見る」こと。そのために相手と一対一にならないよう、少し距離を置くのです。第三者に関わってもらうのが望ましいですが、相手が家族である場合はなかなか難しいもの。

親を施設に預ける、子どもに一人暮らしをさせる、家の中で顔を合わせる時間を減らすなども一つの策です。また、新しい習い事を始める、パートに出るなどして、相手と一緒にいる時間を減らしたうえで、自分の世界を広げるのがいいでしょう。

2016年にテレビドラマ化されて話題になった、海野つなみさんの漫画『逃げるは恥だが役に立つ』では、主人公のみくりがトーク番組のゲストとして招かれた自分を妄想し、置かれた状況を分析する場面がありました。俯瞰する方法としてユニークで、非常にいいやり方だと思います。

漫画『逃げるは恥だが役に立つ』第1巻より。主人公のみくりはトーク番組のゲストになりきって、司会者に自身の状況を打ち明ける ©海野つなみ/講談社

家庭の問題を俯瞰する際に、誰かに相談するならば相手を慎重に選んだほうがいいでしょう。家庭内の事情は、往々にして他人には理解しにくいものです。相談しても、「家族のことをそんなに悪く言うものじゃない」「家族なんだから、仲良くしないと」などと、周囲から呪いの言葉を浴びせられてしまい、逆に傷つけられることもあるからです。