じっと座るのが難しい子には……

さらに、じっと座るのが難しい子には、一時的に席を離れる時間を設けるのも効果的です。

先生の作業を手伝ってもらうとか、トイレ休憩を取る、廊下に出て深呼吸をしてから戻ってくるなどの対応を学校の先生にお願いすることもあります。

やはり、その子の特性に合わせた対応や配慮が欠かせません。

児童精神科医のつぶやき
視界に入って話をする、気がそれないようにするなど、その子の特性に合わせた工夫をする

 

※本稿は、『児童精神科医が子どもに関わるすべての人に伝えたい「発達ユニークな子」が思っていること』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

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児童精神科医が子どもに関わるすべての人に伝えたい「発達ユニークな子」が思っていること』(著:精神科医さわ/日本実業出版社)

すべての人が「その人にしかない発達の過程」を持っており、発達とはだれにとってもユニークなものなのです。

実際、診断がつかない子どもたちのなかにも、日々の生活や学校のなかで「困りごと」を感じている子は少なくありません。

「病名がないから大丈夫」ではなく、「困っているなら支援が必要」という考え方が、もっと社会のなかに広がっていってほしい──そう思って、この本を書きました。