着物は「歩く整体」である

イメージ(写真提供:Photo AC)

かつての日本人は、着物を着ることで、知らず知らずのうちに骨盤を立て、背筋を伸ばし、深い呼吸をしていました。

着物生活の中で、正しい姿勢が「身体感覚」として育まれていたのです。

先日2日間のある勉強会に参加し、椅子に座りっぱなしでしたが、ただ1人着物を着ていた私は、確かに椅子の背もたれに背中をつけることなく背筋が伸びた状態で講義を聞いていました。私は、ほぼ毎日着物生活を20年以上送っていますが、正しい姿勢が自然に身についていたのです。

ほんの50年ほど前までは、着物は我々の生活の中の一部分でした。わざわざに時間をとって、運動やストレッチなどの「儀式」をしなくても、着物生活に戻すだけで、多くの方の姿勢に関する身体の悩みは解消されることでしょう。

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