松平乗邑を追い込んだ家重

こんな事態になれば、当然、家重は面白くありません。

彼は将軍になると、松平乗邑を老中首座から次席に下げ、さらに老中を罷免し、領地を減封、強制的な隠居、と追い込みました。

跡を継いだ乗祐に対しては、江戸に近い下総佐倉から出羽山形に左遷の国替えを命じました。また弟の宗武には謹慎を命じ、3年後に謹慎を解いた後も生涯謁見を許しませんでした。

こういう事情を下敷きにすると、将軍の近親者が老中になって将軍をないがしろにすることは許さん! という遺言を家重がしたとしても十分に理解ができます。

今回のドラマは江戸の庶民の生きざまを描くものですので、政治の状況をもっと!と要求するのは筋が違いますが、もし例年の大河ドラマのように政治的な丁々発止をフィーチャーするならば、家重の動向にも言及して、ドラマをより豊かにする手はあるのかもしれません。

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大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)〜

【放送予定】2025年1月~

【作】森下佳子

【主演】横浜流星(蔦屋重三郎 役)

【制作統括】藤並英樹 【プロデューサー】石村将太、松田恭典 【演出】大原 拓、深川貴志

【放送予定】[総合]日曜 午後8時00分 / 再放送 翌週土曜 午後1時05分[BS・BSP4K]日曜 午後6時00分 [BSP4K]日曜 午後0時15分