【悩み・3】排便のリズムが乱れやすく、便秘がちです
便秘は女性に多く見られますが、60代以降は男性も増えて男女差がなくなります。主な原因は、加齢やストレスによる大腸の蠕動運動の低下。蠕動運動が弱まると便が大腸に長く滞留し、水分が過剰に吸収されて硬くなるため排出が困難になります。また、加齢によって骨盤底筋の筋力が衰え、便を押し出す力が弱まることも一因です。
便が大腸内に長く滞留すると思わぬリスクを招くことも。腸内環境が悪化し、増加した悪玉菌が産生する毒素が腸壁を越えて血中に漏れ出ると(腸漏れ)、その影響は全身に及びます。動脈硬化や脂肪肝を促進し、ときに糖尿病、脳梗塞、腎不全の引き金になる恐れもあるのです。
便秘解消には硬水を。硬水に含まれるマグネシウムが水分を引き込み、便を軟らかくしてくれます。また、腸を目覚めさせるために朝食はしっかり摂り、毎朝トイレに座る習慣をつけること。
次回以降で紹介する骨盤底筋体操をルーティンにして、便を押し出す力も鍛えましょう。
腸内環境を整えるカギは、善玉菌の一つである酪酸菌です。酪酸菌が作り出す「酪酸」こそが腸の粘膜細胞の栄養源。酪酸菌が多いと、便秘や下痢が少なくなるだけでなく、腸粘液が増えて腸漏れしにくくなるので、健康寿命も延びるのです。