【悩み・4】胃腸の老化は、どうすれば抑えられますか?

胃が老化する原因はピロリ菌。ピロリ菌がいなければ、何歳になっても胃はさほど老化しません。胃の不調が続く場合、一度ピロリ菌検査を受け、陽性ならすぐに除菌しましょう。

一方、腸は加齢によって腸粘膜を覆う粘液層が薄くなります。これが腸の老化です。粘液が減ってバリア機能が弱まると、腸内の毒素が血中に漏れ出す「腸漏れ」が起きやすくなり、その毒素が血管内を循環すると、体内に低度の慢性炎症を引き起こすのです。それを阻止するためにも、60代以降の腸活は腸粘膜の栄養源となる酪酸菌を増やすことを意識しましょう。

「十円玉を溶かすと言われるほど強力な胃酸から胃壁を守るのが、胃粘液です。胃が疲れていると粘液が不足しがちなので、胃粘液を増やすオクラや長芋、モロヘイヤなどのネバネバ野菜を積極的に摂りましょう。胃酸分泌を抑えるビタミンUが豊富なキャベツ、ジアスターゼなど消化酵素が豊富で胃もたれを防ぐ大根、ピロリ菌の増殖を抑えるスルフォラファンを含むブロッコリーも胃を守ってくれます」(江田先生。以下同)

(イラスト:末続あけみ)

 

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