AI医療の時代には「名医」という概念がなくなる

その点、AIならば過去の診療データをもとに、ガイドラインが現状に即しているかを迅速かつ客観的に評価し、必要な改定も自動で行うことができます。

『AIに看取られる日 2035年の「医療と介護」』 (著:奥真也/朝日新聞出版)

学会の重鎮の意向や上下関係に左右されることもなく、効果が見込めない記述はデータに基づいて淡々と削除してくれるでしょう。

「数年に一度」のガイドライン改定サイクルを待たずに、リアルタイムで更新できることはAIの大きな強みです。古い慣習や「偉い先生」の影響を引きずらず、純粋に医学的な妥当性だけを見て進化できるのです。

こうしたAI医療の時代には、もはや「名医」という概念がなくなります。