医師はもっとドライで機能的な役割に戻っていく
医師は特別に尊敬される存在である必要はなく、ほかの専門職と同様に、冷静かつ技術的に社会に貢献すればよいのです。
プログラマーが特別に称賛されずともテクノロジーを支えているように、医師も過度な偶像視から離れ、もっとドライで機能的な役割に戻っていくべきだと思います。
AI医療が普及すれば、医師がすべての診療科目に通暁(つうぎょう)する必要はなくなります。
専門外の知識や薬の使い方などはAIがサポートしてくれるので、しっかりとした基本的な知識があれば、臨床の実務は十分こなせるようになるでしょう。
その結果、医学教育も見直されるはずです。現在のように6年間かけて全科目を学ぶ必要はなくなり、身体の仕組みや基礎的な病理を学んだうえで、各自の専門に集中する仕組みに変わっていくかもしれません。将来的には、学部の修業年限が短縮される可能性は十分あります。