急速な勢いで社会にAIが浸透する今、「将来困らないように、あれこれ知識を身に付けておく」というこれまでの教育のあり方に限界が見え始めています。そんななか、ワンダーファイ株式会社 代表取締役・川島慶さんは、これまで1万人以上の子どもたちと関わってきた経験から、人生を切り拓き、自分らしく輝く力として「学ぶ力」を伸ばすことを勧めています。そこで今回は、川島さんの著書『自分の頭で考える子に育つ学ぶ力の伸ばし方』から一部を抜粋し、再編集してお届けします。
「学ぶ力」を伸ばす3つの視点
子どもの「学ぶ力」を伸ばすにはどうしたらいいのでしょうか。
誤解されがちなのは、意欲や思考力といった力は、「子どもが持っていないもの」であり、教育によって身につけさせる必要がある、という考え方です。
(1)子どもは、もともとすばらしい力を持っている
意欲や思考力は、子どもたちが誰しも持っているものです。
むしろ、成長にしたがって、苦手意識が芽生えたり、許可を求めたり、正解を求めたりする過程で、一時的にしまってしまうものととらえなおすことで、関わり方が変わってきます。
伸ばすよりも伸びるもの。持っているものを引き出すこと。解放すること。その視点の転換が「より伸びる」きっかけとなっていきます。