怒りの制御装置「皮質」は、酸素が大好き
家族の怒りが充満しているような家は、子どもにとっても居心地がいいはずがありません。家族と顔を合わせたくありません。遅くまで外にいて、帰ったら、お風呂に入って、部屋に戻って、さっさと寝てしまいたい気分にさせられます。
子どもとしては、親の不愉快な顔は見たくないし、説教なんか聞きたくない。
もちろん、原因が自分であると感じていても、自分の好きなようにやりたいのです。親の理屈は通用しません。誰もが経験で知っていることではないでしょうか。
怒りを発するのは、大脳辺縁系と呼ばれる原始的な脳です。この脳の作用だけなら、怒りが発生すると、すぐに攻撃的になるといったように、感情が行動に出てしまいます。
しかし、人間には大脳皮質という理性的な脳があります。
その脳が「人に手を上げてはいけない、ここは我慢のしどころだ」と、ブレーキをかけるのです。皮質が正常に働いていれば、怒りを感じても、それが行動に移ることは防げます。