「ヨガで痩せない」は当たり前

では、ウエストを細くする運動はあるのでしょうか。例えばヨガはいいと思います。ヨガは呼吸を重視するからです。ヨガの呼吸法は「腹式呼吸」。息を吐く時にお腹を平らに、あるいは凹ませ、吸う時は膨らませる。腹式呼吸は換気効率を高め、また副交感神経を活性化することでリラックス効果が得られるほか、便秘の解消や血行促進の効果があるとされます。

この腹式呼吸をする時、メインに使うのは横隔膜と腹横筋。

(写真提供:Photo AC)

横隔膜は息を吸う時の主役。そして息を吐く時の主役は腹横筋。お腹を凹ませて、息を押し出す筋肉です。ウエストの筋肉の中で最も深い位置にある、いわゆるインナーマッスル。お腹をコルセット状に巻いている筋肉で、力が入るとウエストを締めていき、細くなります。腹式呼吸によって腹横筋を鍛える効果があるので、自前のコルセットを作り、ウエストは細くなります。ドローインという体幹を鍛える方法もこれと似ています。

ヨガでウエストが細くなっても、それは体脂肪が減って痩せたからではないということを理解しましょう。腹式呼吸のような優しい運動に、脂肪をガンガン燃やす効果を求めてはいけません。

ヨガやピラティスのレッスンを始める時、「インストラクターのような体型になれる!」と思ったことがきっかけの人もいるでしょう。しかし、ヨガのように優しい運動だけで体脂肪をとるのは極めて難しく、食事を中心とした日々の生活の中で体脂肪を適正化しているということがほとんどでしょう。この現実からは目を背けないこと。