手術台にいる自分を上から眺めて

その後、予定通り入院し、翌日手術を受けました。じつは、そこでも不思議なことがあったのです。

当初は全身麻酔をする予定が、手術前に局部麻酔に変更。そのため手術中、医師に体調などを聞かれたりしたのですが、途中から体がフワフワしたような感覚になり、気づいたら宙に浮いていて、いままさに手術を受けようとしている自分の姿を眺めていました。

「えっ、なぜ私は浮いているんだろう? この風景、どこかで見たな」。空中に浮かびながら、少し考えた末、「そうか、夢で見たシーンだ」と合点が行った次の瞬間、私は手術台の上に戻っていました。

いまのはいったい何だったのだろう、と不思議に思いながらも、気づけば手術は無事終了していたのです。

その晩のこと。麻酔が切れたようで、私は術後の痛みにウーンウーンと唸っていました。何かの気配を感じて、ふと目をやると、また布団の上に猫が! 亡くなったはずのミースケが体を丸めて寝ているではありませんか。

予想外の出来事に、痛みすら忘れてじっと見つめてしまいました。ああ、そういえば私の体調が悪いときには、こうして寄り添ってくれていたな。心配して様子を見に来てくれたのかな。そんなことを考えているうちに、安心して眠りについていました。

翌朝、目を覚ましたとき、猫の姿はありませんでした。術後の影響による幻覚だったのでしょうか。もしそうだったとしても、亡き愛猫がそばにいてくれたおかげで、痛みが緩和されたことは事実。私にとっては最高のケアだったと思っています。