頭の中の残像が次々と現実に。それは予知夢か正夢か――。寺島可奈子さん(仮名・長野県・パート・47歳)は、可愛がっていた猫を亡くして悲しみの中で過ごしていたある夜、不思議な夢を見たそうで――。
寝ている私のお腹で足踏みしていたのは
あれは10年くらい前の出来事でした。私は、可愛がっていた飼い猫を亡くして、極度のペットロスに陥っていました。
17年ほどともに暮らし、ずっと私を癒やしてくれる存在だったミースケは、立派な老猫になっていました。ある日、具合が悪そうだったので動物病院に連れていくと、腎臓病にかかっていて、治療が難しい状態と診断されたのです。
突然のことにショックを受けつつ、自宅に連れ帰り、とにかくミースケの調子がよくなるように薬をのませたり、ブラッシングしたりして過ごしていました。ところが、看病の甲斐なく、告げられていた余命よりもだいぶ早く旅立ってしまって……。
こんな別れになるとは想像もしていなかった私は、もっと早く気づいてあげるべきだった、と後悔の念に駆られました。毎日、悲しみの感情しか湧いてこず、視界に入るものすべてにミースケとの思い出が浮かんできて、涙があふれるばかり。その頃は、日常生活を送りながら、まるで別の世界にいるような感覚で過ごしていました。
もう一度会えたら、ごめんねと謝りたい。願わくば夢の中でもいいから現れてほしい、と何度思ったことか。けれども願いは届かず、悶々とした日々を送っていたのです。