あらためて感じる深い絆

退院後、病理検査の結果も間題なしとのことだったので、心からほっと安堵しました。もしも発見が遅れていたら、周囲の臓器にダメージを与えていた可能性もあったそうです。結局のところ患部の臓器は摘出、その甲斐あって大事には至らなかったのが何よりでした。

私が見た夢や入院中の不思議な出来事について、包み隠さず夫に話したところ、どうにも半信半疑な様子。今回の不思議体験は、愛猫と私の深い絆以外に説明はつかないし、自分の心の中に留めておこうと思いました。

今にして思えば、あのとき夢の中で、猫が私の下腹あたりを前脚でふみふみしていたのは、病の箇所を教えてくれたのでしょう。そう考えると、感謝の気持ちでいっぱいです。そして、これからも私を見守ってね、と念じました。

しかし、手術からしばらくたった、ある夜のこと。久しぶりに夢の中に、猫が現れたのです。今回も間違いなくミースケでした。私がこれまでの気持ちと感謝を伝えようと近づこうとした瞬間、ミースケはクルッと背を向けて、遠くにある光の中にスッと走り去ってしまいました。そこで目が覚めたのですが、それ以降、亡き猫が夢の中に現れることはありません。

私の無事を見届けて虹の橋を渡って成仏してくれたのか。それとも、生まれ変わってどこかよその家族の一員として暮らしているのかは定かではありませんが、夢の中ででも再び出会えたことに、心が満たされました。

いつの日か、私が臨終を迎えた暁には、またミースケに会えたらいいな、と願っています。


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