手の洗いすぎは逆効果保湿が改善のカギ
手の爪のトラブルで多いのが、「二枚爪」。3層構造になっている爪の表面の層がめくれている状態です。そのため爪が引っかかったり、割れやすくなったりします。主な原因は乾燥と指先への過度な刺激。爪周りの皮膚がめくれあがってトゲのように剥がれる「ささくれ」も、水分と油分不足が原因です。
こうしたトラブルは、日々の水仕事など生活環境に起因しており、高齢になって家事をしなくなったら治った、というケースもあります。ですので、予防・改善のポイントは、乾燥しないよう小まめに保湿すること。水仕事の後や夜寝る前はたっぷりとハンドクリームを塗るよう、習慣づけることが大事です。
また、傷を作らないよう気をつけることも大切。ささくれは無理に引っ張ってとろうとせず、清潔な小さいはさみや爪切りで根元から切りましょう。
爪周りの皮膚の小さな傷から細菌が入ると、感染症を引き起こすことがあります。代表的なのが「ひょう」(化膿性爪囲炎)。爪の周囲やつけ根が腫れ、膿がたまる病気です。治療では抗生物質が使われ、場合によっては切開して膿を排出します。
「緑色爪」も手爪に見られる感染症。爪と(爪と接する皮膚の部分)の間に隙間ができ、そこに緑膿菌が入り込んで感染し、その部分が緑色になります。自然に治るケースも多いものの、感染範囲が広がるなど症状が悪化した場合は治療が必要です。
感染症の予防・改善のため手指を清潔に保つことは不可欠ですが、洗いすぎて肌荒れを起こしている人も少なくありません。皮膚が荒れると傷つきやすく、逆効果になるので、ほどほどに。
「爪の異変チェック」で紹介した「スプーンネイル」「ばち状指」「症候群」などのように、体の病気が隠れているケースもあります。爪の色や形、表面の状態をよく見て、異常があれば、まずは皮膚科を受診しましょう。爪の異変の原因が体の病気ならば、その病気を扱う診療科で治療する必要があります。