本郷和人『べらぼう』梅毒で命を落とした歌麿の妻・きよ。実際、江戸時代に梅毒でこの世を去った人が多いのは＜墓＞を発掘すれば一目瞭然で…

犠牲になった遊女たち

梅毒の犠牲になったのは、なんといっても遊女たちでした。

彼女たちは梅毒が日本に上陸するまでは、差別の目で見られることはありませんでした。むしろアイドル視されたり、ファッションリーダーとして注目されていたのです。

ところが梅毒が流行するようになると、彼女たちは病に冒され、短時間の内に急激に衰えて亡くなっていった。それはまさに神仏の禁忌に触れた者のようにも見えました。

そこに遊女という職業を卑しめる感覚が生まれたといわれています。                       

現在では梅毒は「治る」病気になりました。

でも、恐ろしい病気であることに変わりはありませんし、感染者が次第に増加している、という報告もあります。しっかりと知識を獲得し、自らの身を守るようにしなくてはなりませんね。